「根面う蝕」(こんめんうしょく)という虫歯をご存じですか?
この虫歯は大人になるとできやすくなり、30代から増え始めます。
そして自分では気づきにくく、進行しやすいため気付いた時には手遅れで
歯を失う事につながりかねないこわい病気です。
そんな根面う蝕はどうしたら防げるか!?をご紹介します。
目次
根面う蝕ってなに?
露出した歯の根元は弱く、非常に虫歯になりやすい場所です。
「食べ物が歯にはさまる」
「歯の根元がしみる」
等思い当たる人は、根面う蝕のリスクが高まっているかもしれません。
歯ぐきを境に歯は違う!?
歯は、歯ぐきから上を歯冠部(しかんぶ)と呼びます。
歯冠部はエナメル質に覆われており、体の中でもっとも硬いとされます。
一方、歯ぐきで覆われている歯は象牙質で出来ており、やわらかくて敏感です。
そのため、象牙質が露出すると冷たい物や温かい物がしみます。
どちらの部分も酸に弱いのですが、象牙質の方がより酸に弱い性質を持っています。
酸に弱いとは?
酸性度やアルカリ性度を示すpH値でいうと
エナメル質は5.5程度から溶けはじめます。
ところが、象牙質はより酸性度が弱い6.5程度でも溶けてしまいます。
例えば、スポーツ飲料や赤ワインのpH値は3.4~3.8ぐらいです。
これらを頻繁に長い時間かけて摂取する習慣があると
歯に大きなダメージを与えてしまう事になります。
大人むし歯になりやすい所
大人むし歯になりやすい所を知るのは予防にとても大切なことです。
過去に虫歯などの治療をした歯は、詰め物や被せ物の周りの歯磨きがしにくく、
歯垢が残りやすくなり、虫歯のリスクが高まります。
歯の根元部分もブラッシングが難しい所です。
歯ぐきが下がって歯と歯のすき間が開くと、更に磨き残しが多くなりがちです。
根面う蝕の治療は…
象牙質が侵される根面う蝕は、患部を削って詰め物をしても
歯の根元部分は噛んだ時などに大きな圧力がかかるため
外れやすく治療がしにくいのが難点です。
根面う蝕の予防
大人の虫歯を防ぐにはどうしたよいのでしょうか。
【ハブラシの持ち方】
ハブラシは筆記用具と同じ持ち方(ペングリップ)で持ちます。これは余計な力が入らず小刻みに動かしやすいメリットがあります。
【みがき方】
ハブラシの毛先を歯面にきちんと当て、毛先が広がらない程度の軽い力で小刻み(5~10㎜程度動かすつもり)に動かして1~2歯ずつ磨きます。
1カ所あたり20回程度のブラッシングを目安にして下さい。
ハブラシによるブラッシングだけでは、歯と歯の間の歯垢は61%しか除けなかったのに対して、
フロスを併用すると79%、歯間ブラシを加えると85%まで除去できます。
また、ハブラシが届きにくい奥歯はワンタフトブラシを使用するのも効果的です。
虫歯予防にはフッ素(フッ化物)も有効です。
歯科医院などで塗布してもらいましょう。
また、日常的にフッ素配合のハミガキ剤やフッ素ジェルなどを使うのも良い方法です。
大切な歯を虫歯から守るために、日頃の食習慣にも気を配りましょう。
良質なたんぱく質や歯の再石灰化に必要なカルシウムやリン。
これらがうまく働くためのビタミン類などの栄養素をバランよく摂取するようにしましょう。
食事や間食をするたびに、本来中性の口の中は酸性に傾き、その時間が長く続くと虫歯になってしまいます。
1日に何度もおやつを食べるのではなく、時間を決めて楽しみましょう。
長時間に及ぶ飲酒も虫歯の原因になります。
アルコール類を飲むときは一緒に水を飲むようにしましょう。
これは、酸性に傾いた口の中が中和され、さらに悪酔いも防げる一石二鳥の方法です。
唾液には口の中の汚れを洗い流すとともに、歯の再石灰化を促す働きがあります。
唾液を多く出すために、食事の際はよく噛んで食べる事を心がけましょう。
その他気を付けたいこと
- ハブラシのサイズ(自分に合ったハブラシを選びましょう)
- 喫煙(喫煙は将来歯を失うリスクが増えます)
- 定期歯科検診を受けましょう
- かかりつ歯科医をもちましょう
まとめ
年齢を重ねても、出来れば自分の歯でいたいと誰もが願いますよね。
そのためにも知識を持ち、今できるむし歯予防を心がけましょう。
犬好きな方におすすめ!!
こんな記事はいかが?