「いびきがうるさい!!」と言われたことはありませんか?
寝ている間にかくいびき。
自分では気づかずに過ごしていて、他人から指摘をされ初めて知ったなんて事がありますよね。
そして、知ってしまうと友人との旅行に行けなくなったりする事も…
いびきは健康だけでなく美容にも悪影響を及ぼすと言われます。
原因に応じた適切なケアをして、早めに改善しましょう。
目次
なぜ、いびきをかくの?
いびきとは、気道が狭まり、口から息を大きく吸い込んだ時に、のどが振動して出る音の事です。
もともと、睡眠中は体がリラックスして喉の筋肉が緩み気道がやや狭まります。
その上、仰向けになる事で重力により気道を塞ぎやすくなり、よりいびきをかきやすい状態になります。
仰向けになると重力で上顎の奥にある軟口蓋(なんこうがい)や舌の付け根が落ち込むため、気道を塞ぎやすくなります。
いびき度チェック
以下のチェック項目に2つ以上当てはまる場合は、習慣的ないびきがあるか睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
朝起きた時に頭痛がある |
夢をよく覚えている |
集中力が続かない |
長時間寝ても疲れがとれない |
日中も眠気がある |
朝、口臭や口のネバつきがある |
夜中にトイレによく起きる |
タイプ別いびきの原因
いびきの原因、つまり気道を狭める原因には大きく分けて3つのタイプがあります。
このうち1つだけが原因という訳ではなく、複数のタイプが重なることもあります。
口呼吸タイプ
<口を開けるとあごが下がるので、気道が狭まりいびきをかきやすくなります>
口呼吸は鼻づまりやストレス、出っ歯など様々な原因でなります。
そして、口呼吸に慣れてしまうと、原因を取り除いても口呼吸するくせが残る場合があります。
★鼻が詰まりやすい
★ストレスを感じやすい
★子どもの頃、アレルギー性鼻炎があった
のどが緩んでいるタイプ
<のどが緩むと気道が狭まり、いびきをかきやすくなります>
女性ホルモンの低下やアルコール。加齢や疲労、睡眠薬は喉の筋肉を緩めます。
★毎晩アルコールを摂取する
★閉経している
★40歳以上である
★睡眠薬を服用する
★疲れやすい
骨格などに問題があるタイプ
<骨格的にもともと気道が狭い場合があり、いびきをかきやすくなります>
あごが小さい人や後退している人は、もともと気道が狭いです。
また、喉に脂肪がついたり、むくんだりして気道が狭まる事があります。
★あごが小さい
★あごが後退している
★太っている
★首が太くて短い
★たばこを吸っている
いびきの種類
いびきは、睡眠中の無呼吸と低呼吸の有無と回数によって大きく3種類あります。
低呼吸…息が浅く弱い状態が10秒以上続くこと
単純いびき症
<無呼吸・低呼吸を伴わないもの>
疲れている時やお酒を飲んだ時など、時々いびきをかく。
上気道抵抗症候群
<無呼吸・低呼吸はほとんどないもの>
習慣的にいびきをかき、睡眠が分断されたり日中眠気を感じる事もある。
睡眠時無呼吸症候群
<1時間に5回以上、無呼吸・低呼吸があり呼吸が戻る時激しいいびきを伴うもの>
無呼吸、低呼吸で睡眠が頻繁に分断されるため、日中に眠気を感じる事が多い。
いびきは放置していても大丈夫?
無呼吸のまま息が戻らず死亡する事はほとんどありませんが、無呼吸や低呼吸は心臓や脳、ホルモン分泌、自律神経などに悪影響を及ぼします。
そのため、高血圧や糖尿病、心筋梗塞・脳卒中、不妊、更年期障害、認知症のリスクを高めることになります。
男女ともに有病率が急増する40歳を過ぎたら、ためらわず病院に相談して下さい。
呼吸の検査
「問診 ⇨ 簡易検査 ⇨ 精密検査」といった順に検査を行います。
問診
いつ頃からどんないびきがあるのか、日中の眠気があるかなどの聞き取りをします。
簡易検査
指先や鼻先に携帯型センサーを付けて一晩自宅で眠り、血液中の酸素量や無呼吸・低呼吸の有無や回数を調べます。
詳細は病院でお尋ねください。
精密検査
1泊2日入院して、体の各所にセンサーを付け、睡眠中の無呼吸・低呼吸の有無や回数、睡眠レベル、覚醒反応などを詳細に調べるポリソムノグラフィーを行います。
詳細は病院でお尋ねください。
睡眠時無呼吸症候群の治療方法
睡眠中の無呼吸や低呼吸の症状の程度に合わせた治療を行います。
症状は以下の様に分類されます。
症状 | 睡眠中の無呼吸・低呼吸 |
軽症 | 1時間に5~15回未満 |
軽症~中等症 | 1時間に15~30回未満 |
中等症~重症 | 1時間に30回以上 |
のどの病気 | ーーーーーーーーーーー |
鼻の病気 | ーーーーーーーーーーー |
軽症
食生活の改善や運動で体重を減らし、横向きで寝る事で舌の落ち込みを防ぐ体位療法を行います。
軽度~中等症
睡眠時無呼吸症候群と診断されたら、歯科口腔外科でマウスピースを作成し、睡眠中にあごを数ミリ前にずらして固定し気道を確保する治療を行います。
この治療法は定期通院の必要がなく、どこにでも持ち運びが出来るため、旅行などにも携帯できます。
そのため、手軽で継続しやすい治療法と言えるでしょう。
中等症~重症
CPAP(シーパップ)療法を行います。
これは、就寝時に毎晩自宅で空気を送り込むマスクを着けて、気道の閉塞を防ぐ治療法です。
いびきはほぼかかなくなりますが、月に1回の通院が必要となります。
のどの病気
のどちんこを短くするなど、気道を狭めている原因を取り除く手術を行います。
鼻の病気
鼻の通りをよくするレーザー治療や、鼻の湾曲を治す手術を行います。
いびきの相談はどこにすればいいの?
鼻づまりがある人は耳鼻咽喉科へ。
その他の人は呼吸器科や内科に相談しましょう。
また、「いびき外来」や「睡眠呼吸センター」が近くにあれば、そちらを受診する事をお勧めします。
いびきの治療、美容にも効果があるの?
いびきは睡眠の質を低下させるため、健康だけでなく美容にも悪影響を及ぼします。
そのため、いびきを改善する事により、以下のような美容効果が期待されます。
改善点 | 効 果 |
口呼吸を改善する事により | ほほ・口元のたるみや口臭の改善につながります |
熟睡できる事により | 成長ホルモンの分泌により脂肪を分解し、肌や髪などの新陳代謝を促す働きが期待され、ダイエットやアンチエイジングにつながります |
自分で出来るいびき改善法
自分で出来るいびきの改善法はいろいろあります。
上記に記したいびきのタイプに応じたケアを行いましょう。
口呼吸タイプ
市販されている鼻腔拡張テープを鼻に貼り、マウステープで口を塞ぎ、口呼吸を防ぎましょう。
のどが緩んでいるタイプ
■ アルコールはのどの筋肉を緩めるため、お酒は控えましょう。
■気道への舌の落ち込みを防ぐため、横向きに寝ましょう。
骨格などに問題があるタイプ
■太るとのどの周りにも脂肪がつくため、減量に努めましょう。
■枕が高すぎるとあごが沈み気道を塞いでしまうため、あごが上がるくらいの高さの枕を使用しましょう。
睡眠アプリ
最近ではスマートフォンやスマートウォッチと連動した睡眠アプリが多数あります。
自分はいびきをかいているのか知りたいと言う方や、自分のいびきを聞いてみたい、呼吸の状態を知りたいといった方はこのようなアプリを活用してみるのも良い方法ではないでしょうか。
まとめ
「人には言えない恥ずかしい悩み…」
そう思っている方!! 男性の57%、女性の40%はいびきをかくと言われています。
先ずは自分でできる改善策を試してみて、
それでもダメなら恥ずかしがらずに1度病院へ行くのも1つの手ですよ。
健康のため、美容のため、そしてお友達と楽しい旅行をするためにそのいびき治してみませんか?