犬の健康を守るためには、病気をきちんと知ることが大切です。
そうする事で例え病気をしても治療の意味が分かり、病気との向き合い方も変わります。
大切な家族には、
幸せな毎日を送って欲しいですものね。
少しでもそのお手伝いが出来たらと思います。
目次
下部尿路疾患とは
まずは尿の基本的な排出の仕組みを簡単にご説明します。
尿は腎臓から尿管を通って膀胱に溜まります。
腎臓 ⇨ 尿管 ⇨ 膀胱
上記の尿路のうち、腎臓と尿管を 「上部尿路」 と呼びます。
そして、尿は尿道を通って体外へ排出されます。
膀胱 ⇨ 尿道 ⇨ 排出
上記の尿路のうち、膀胱と尿道を 「下部尿路」 と呼びます。
犬の場合は、下部尿路に病気が起こりやすく、この病気を総称して「下部尿路疾患」といいます。
代表的な病気には「膀胱炎」と「尿路結石症」があります。
膀胱炎とは
膀胱が炎症を起こす病気の事です。
ほとんどの場合、大腸や直腸などに潜んでいる腸内細菌などが尿道から侵入して、
膀胱で増殖することによって起こります。
この場合、抗生物質による細菌を殺す治療をします。
尿路結石症とは
石や砂のようなものが尿路にできる疾患を「尿路結石」といい、
犬の場合、多くは下部尿路で尿路結石が見られます。
結石の成分によって、いろいろな種類がありますが、代表的なものは下記のものになります。
リンとマグネシウムを主成分とする結石です。
いったんこの結石ができると、石が細菌を増やし、細菌は石をますます成長させるという悪循環が起こりやすいです。
この結晶が元で結石になります。
尿路結石の原因
細菌が出す酵素によりアンモニアができ、おしっこがアルカリ性に傾くと、ストルバイト結石ができやすくなります。
尿路結石はメスの方がなりやすい!?
尿路結石はメスに多いと言われています。
その膀胱炎が尿路結石を起こす原因につながります。
普段から、おしっこの状態や量を確認するようにしましょう。
尿路結石症の症状
痛みが出たり、おしっこが出にくくなったりします。
また、石や砂のようなものが途中で詰まっておしっこが全く出なくなる事もあり、これは非常に危険な状態です。
★以下のような症状がある場合は、動物病院へ行きましょう。
おしっこが少量ずつしか出ない
おしっこが濁っている
トイレ以外でおしっこをしてしまう
おしっこに血が混じる
おしっこをする時、痛そうになく
おしっこが全く出ない
お腹の下の方を触ると硬い物がある
このような症状がある場合は、すぐに動物病院へいきましょう。
尿路結石症の治療
結石の種類や大きさにより治療法が異なります。
おしっこのpHを整え、尿量を増やす事を目的としたフードを与えます。
尿路結石症の注意点
この病気はとてもしつこく、再発しやすいのが特徴です。
症状が落ち着いた様に見えても、実はまだ治りきっていない場合があるので、
病院から処方された薬は最後まで飲みきり、医師の判断を仰ぎましょう。
尿路結石症になりやすい犬種
下記は尿路結石症の発生が多い犬種です。
シー・ズー | ウェルシュ・コーギー |
ミックス | ヨークシャテリア |
チワワ | ミニチュア・ダックスフント |
パピヨン | ミニチュア・シュナウザー |
尿路結石症の予防法
予防法は1つをしたからと言って安心な訳ではありません。
できるだけ多くの対策を取りましょう。
- おやつは控えましょう。特にマグネシウムが多く含まれるイワシなどは与えないようにしましょう。
- 食事に配慮しましょう。
- 太らせないようにしましょう。
- 膀胱に尿を溜めないようにしましょう。
- 水をたくさん飲ませる工夫をし、尿を濃くさせないようにしましょう。
1度この病気になった犬は完治しても再発防止のために療法食を続けましょう。
まとめ
いかがでしたか?
病気を知る事は、病気の予防にもつながりますよね。
愛犬に、元気で幸せな毎日を送ってもらう事が飼い主の務めであり、幸せ。
そんな愛犬思いの皆様のお役に立てれば幸いです(^^)