果てしなき渇き(深町秋生)を読んで-感想-

書名:果てしなき渇き
作者:深町 秋生

独自の感想ですが、実際に本を読み感じた事、伝えたい事をまとめたものです。
どんな本を読もうかと悩んでいる人の参考になれば幸いです

親は誰しも、子供の幸せを願うものである。
では、子供の幸せとはいったい何なのだろうか。
そもそも、幸せだけの人生などありえない事を、親は身をもって知っているはずである。

勝手な理想を子供に押し付け、裏切られれば勝手に傷つき、その後の親としての責任を放棄する者さえいる。

「あなたは自分の子供の事をどれだけ知っていますか?」
そう問われたら、自信を持って「全て」と答えられますか?

物語は一人の少女、加奈子を中心にその家族、友人などで構成される。
とは言え、決して加奈子が主人公な訳ではない。

話は過去と現在が交錯しており
過去として、イジメから救ってくれた加奈子に恋心を抱く少年の視点で
現在として、突然姿を消した娘、加奈子を必死で探す元刑事の父親の視点で描かれている。

どちらの世界も読んでいて心地いいものとはお世辞でも言い難い。
仮に自分を過去の少年と重ねたなら、吐き気を催すほどだ。
そして違法薬物を残し、姿を消した娘の真相に迫る父親の逸脱した行動は狂気でしかない。

何よりも、最後に描かれる思いもよらない結末には正直、驚かされた。

私自身にも、子供がいる。
類に漏れず、その子供たちが幸せであれと常に願うが、
自身も子供時代そうであった様に子供の世界は大人が考える以上に複雑である事をこの作品は語る。

そしてSNSが発達した昨今、その世界は大人が容易に知る事の出来ない世界である事を忘れてはならない。

果てしなき渇き (宝島社文庫) [ 深町秋生 ]

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